健康目的で走っている40代の練習記録

フルマラソンサブ30・ハーフマラソンサブ71.5・5000m15分台を目指す40代の記録

「jogという名前の練習」についての頭の整理

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今回は”最も基本的な練習”と言われるjogをテーマにしたいと思います。
というか正直言いますとこのブログ主の頭の整理にお付き合いください(笑)。

この「jogという練習」ですが、おそらくアスリートであろうが市民ランナーであろうが最も範囲の広い、というより曖昧な練習名だと思っています。それだけにjogという短い言葉だけでやり取りされるとミスコミュニケーションが生まれると思っていまして、それだけお互いに意図している「jogという名の練習のイメージ」が必ずしも正しく相手に伝わっていない(イメージが一致していない)ことも多いのではないかと思うわけです。

▶「jogという名前の練習」の対象範囲が広すぎる
ここは書かずとも読者の皆さんも実感があるかと思いますが、まずペース(そして意図している距離も)が千差万別です。例えばサブ3をギリギリ達成したくらいのランナーさん複数人に70分jogのペースは?と聞いてもキロ6分、キロ5分半、キロ5分、キロ4分半と分かれます(一番遅い方ではキロ7なんて方もいらっしゃるようです。体の声を聞くことが大切という概念だとか。またキロ6分を愛用されている方から言わせるとキロ5分はjogとは呼ばないそうです。)。かくいう自分も初フルでサブ3を達成したときのjogペースはだいたい4'40"-50"/kmでした。一方でその時に参考にしていたサブ3達成者の方のブログではjogといえばキロ6で、その方はキロ6の男と呼ばれていると記載されていました。ただネットでの参考は別として、自分の周りでも当時サブ3を目指している人でjogペースが5分切りでサブ3達成なんて人の方が多数派でしたし、つまりjogという名前の練習に含有されるものが全く人によって違うということです。

一方でインターバルやPRは走力によって設定タイムは異なりますが、だいたい似た走力の人達の間ではそんなに差異の無いタイム設定がされるかと思います。これはダニエルズ氏の「ランニングフォーミュラ」で記載されるようなIペース、Mペース、Tペースといった話がランナー間でほぼ同じニュアンスにて「共通言語」してきており、またその意義あるタイムがだいたいこれくらいのペース設定という目安があるのでそのあたりにイメージが収斂されているように思います。それと速めのjog的なイメージを持つ概念では「Eぺース」というものがありますが、これも「ランニングフォーミュラ」でペースの範囲が記載されているのでこれも上限をとるか下限をとるかくらいの差異でしかありません。

以上からjog以外の練習についてはだいたい意思統一がされていて(市民)ランナー間で会話をしていてもコミュニケーションでの意図が一致しやすいのですが、jogだけはそうはいかないという現象がおきていると思っています。

▶「ランニングの全ての基本となる練習はjogです」話
jogというのはEペースより遅いペース全般から歩くペースより速いところまでのとても広い範囲を指し示すことになりますので、「ランナーの基本となる練習はjogです」はおそらくランニングトレーナー的な人からすると言いやすい言葉ですが、言い方が悪いですがある意味サボれる言葉(笑)だとも思っています。すごく一般的で(どこでも聞くような話ですし)、聞いていて心地よくて、生徒側も学べたかは別として「納得感」はたくさん得られて。まずランニングの基礎を固めないとと思ってjogが始まるわけです。曖昧なままたくさんの人がいろいろ話す、そうするとこのようないろんな諸説が乱立することが起こります。

・フルマラソンのサブ3くらいであればjogだけで達成できます
・jogを月間600kmやっていてもサブ3は達成できません
・jogをたくさんこなしていくことで距離を稼ぎスタミナ・回復力をつけることが大切
・jogは疲労を抜くために行うのでできるだけ短めにやるべき。無駄にjogをしていてもポイント練習で質の高いことができなければ無意味
・jogのペースが速すぎる人はなかなかタイムの向上がはかれない
・遅いjogばかりやっていても無駄なので、速いjogを取り入れることが走力上昇の鍵
・jogで血行をよくすることで疲労軽減効果があるのでゆっくりjogを適宜とりいれる
疲労抜きjogは存在しないから疲労を抜きたいならランオフ(レスト)すべき
など

実はこのjogに関してだけは世の中で「ランニングフォーミュラ」のような有名ないわば”バイブル”(は言い過ぎなのかもしれませんが)とされているようなものがありません(あるのに私が知らないだけであればすみません)。そうすると無数のjog経験者が「私のjog理論」を展開します。もちろん本で記載されているような話も全て現在の理論であり一部は通説でしかないのかもしれませんが、jogについては専門家というよりランナー間での通説に頼るということになっているかと思います。

こうなってくると「全ての練習の基本はjogです」のjogはペースも距離も範囲が広いですし、どのように効果があるかも不明瞭だしという状態なのだろうなと思っています。
というわけで専門的なランニングトレーナーくらいの人であれば特に初心者初級者に対してjogは
・(全体の練習の流れの中で)こういう目的で行い
・その目的に従ってペース設定はこうする

・時間はこの程度、距離な(1回あたり、1週間で、1か月で)●●km程度
・目的に従いこの練習によってこういう効果がある
・この練習以外の他の練習にはこういう影響がある
ということはセットで伝える必要があることなのだろうと思っています。これはjogに限ったことではないとは思いますが。もっとも市民ランナー同士ではそこまで細かく話すかはその時の話の内容次第でしょうけど(^^;。
でもどうでしょう?意外と易しくはない話になってきたと思います。

▶練習目的を明確にすることで共通言語化図ることができそう
こういう曖昧なことになりかねないので、たとえjogといえどもまずは練習目的を明確化するところからスタートかと思います。そんなの当たり前だし、やってますよという声も多いと思いますが、ペース走やインターバルの時のほうが練習目的をより強く意識して行っているという市民ランナーの方は多いのではないかと推測しています。また明確化しきらずに伝えているケースもあるかと。jogも練習の1つである以上は練習目的を明確化することで練習意義を2倍にも3倍にもできると考えています。大事なのは、①種類分けの明確化、そしてその②種類分けしたjogについての練習全体の流れの中の位置づけと思っています。

まず上記の①の種類分けの明確化ですが、例えばjogもスピードで速いjog、遅いjogと分けて、また時間では60分jog、100分jogとわけます。先々はハーフ、そしてフルマラソンを考えているので一定程度の距離は踏みたいという狙いがあるとします。

・60分jog(遅い):ポイント練前日の疲労軽減を兼ねる(ランオフは回避したい)
・60分jog(速い):心拍150位まで上げる走力強化を意図したjog
・100分jog(遅い):しっかり毛細血管を増やすような意図でjog
・100分jog(速い):低負荷ポイント練習的の走力強化を意図したjog

とするとjogという名前がついているだけで練習の種類は4つです。jog名前は同じですが違う目的をもって走ることになります。あるいはもはや混乱を避けるためにjogという名前を少なくとも自分の中では使わないというのも手です。

上記に記載した「フルマラソンのサブ3くらいであればjogだけで達成できます」話は実はこの速いjogと遅いjog、距離設定に硬軟をつけていたりします。人によっては速いjogはもはやjogとは呼べないかもしれません(4'20"/kmで12km走ってラスト5kmを3'45"/kmまでBUのようなものです。)。また別の人は他のポイント練の強度が高いのでjogとは緩く行うべきもので、あくまでjogで調整というケースもあるでしょう。今日行うjogという練習そのものを考えるのではなく練習計画全体からjogという練習に何を求めるかをしっかり認識することで練習効果は上がると思っています。jogを強化的な主役にすることで走力強化もできますし、他の練習での強化を期待して補助的な効果として脇役として期待するということもありえます。これが上記に記載した②の種類分けしたjogについての練習全体の流れの中の位置づけです。

ちょっと趣旨の違う記事で記載はしてますが、例として厚底シューズでの練習の中に自分の場合のjogの使い方のイメージを記載しています。

runrun40s.hatenablog.com

上記の記事の中でこんなところがありますが、

(月)80分jog(4'40"/km) Pegasus37(EK)
(火)ランオフ
(水)80分jog(4'00"/km) HyperionTempo
(木)90分jog(4'50"/km) React Infinity Flynit2
(金)ランオフ
(土)PR30k(3'40"/km)/PR21k(3'35"/km) NIKE VaperFlyNext%2
(日)120-150分jog(4'30"/km・4'50"/km) HyperionTempo/React Infinity Flynit2
※上記以外にWS、筋トレなどあり

この中で3種類を使い分けているかと思います。水曜日は自分の中ではつなぎポイント練習的な役割で少し負荷を上げることでの走力強化jog的位置づけです。月曜日と木曜日はある意味同じjogですが、シューズを変えて月曜日の方が地脚を鍛える意図、木曜日は距離は踏めども少し脚に優しくのイメージです。また木曜日は土曜日ポイント向けてあまり脚を使わないようにという意図もあります(ポイント練習はリフレッシュしたところで行いたいため)。日曜日は長い時間走ることでのフルマラソン対策という意図。どれくらい有意義かは自分でも研究中でいろいろと修正しながら取り組みたいと思っています。

こうして字にすると当たり前に見えるかもしれませんが、何となく朝起きて「今日も走ってくるかあ」だけでjogしていることってありませんか?とりあえず80分、体を動かしておかないといけないから、痩せたいから、それも大切ですが市民ランナーは仕事や生活で時間がない中で時間を割いて走っていますので、せっかく貴重な時間を使うのであれば1粒で2度、3度おいしい練習にしてしまおうというのが、意識して練習するjogだと思います。そしてjogは1つの練習メニューではありません。自分なりにアレンジして何種類もの練習メニューに変換できます。この使い分けは自由であり、その自由設計ができるところにも(市民)ランナーの楽しみの1つがあるのではないかと思います。

それではまた(^^)/