健康目的で走っている40代の練習記録

フルマラソンサブ30・ハーフマラソンサブ71.5・5000m15分台を目指す40代の記録

「厚底シューズ」での練習について

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今回はNIKEのVaperflyNext%2やAlfaflyNext%などに代表されるいわゆる"(カーボンファイバープレート入り)厚底シューズ"を使用した練習について書いてみたいと思います。
※カーボン入りかどうかの他にシューズそのものの形状等のその他の設計上の話などもあるかと思いますが、いくらか捨象して記載していることについては予めご了承ください。

まず最初に言いたいこととして、市民ランナーは趣味であり娯楽として走っているのですから、好きなシューズを履いて好きな練習をすればいいというのが持論で、これらのシューズでインターバルやペース走をしなくてjogのみで利用しようが散歩だけだろう何でもOKだと思っています。

ただ今回の記事ではこういう娯楽的な考え方から離れて厚底シューズを使っての練習について思っていることを書きたいと思います。結論としては時間の無い市民ランナーにとっては厚底シューズで練習することは”レースでその厚底シューズを使用することを前提として考えた場合において、故障防止の観点でセカンドベストな選択”ではないかという話になります。

▶「厚底シューズ」の効果とリスク
今年の箱根駅伝青山学院大学の圧勝に終わりましたが、青山の選手に限らず数多くの選手がいわゆる厚底シューズを履いていたと思います。代表的なのはNIKEのAlfaFlyやVaperFlyNext%2だと思いますが、最近評判を上げてきたアシックスのMetaspeed-Sky
あたりを履いていた選手もいたかもしれません(自分は確認できませんでしたが)。一方で今日もこのようなニュースが出ています。

news.yahoo.co.jp

このような形で厚底シューズによる効用は認めつつも、それによるリスクについても注目されてきていると思います。それについて青山学院大学陸上部では青トレの中にアウタートレーニングを入れることで厚底シューズ対応をする(股関節を守る)ということを行ってきたということを原監督は述べられていました。

news.yahoo.co.jp

この記事の中で記載されていることとして以下の話に注目しています。

反発が大きい厚底シューズによる着地は想像以上に選手にダメージを与えていた。「昔は体幹で何とかなったが、衝撃を吸収するにはアウターマッスルも必要」と、米国のトレーナー仲間のアドバイスも参考に“新・青トレ”を考案した。  主にバーベルを使って、15~20回のスクワットで衝撃を吸収するための大腿(だいたい)四頭筋や大臀筋を独自のレシピで鍛えあげた

自分の場合はもしかすると厚底シューズが原因ではなかったのかもしれませんが2020年の1月にVFN%2に慣れる練習をする中で右膝の内側を痛めて、それにより2か月間のランオフの上再開してもしばらく月150-200k走るかどうか程度での対応にならざるを得ませんでした。その箇所はVFN%2を利用するようになってから痛めたところで、以後は補強をすることで対応ができていますが、走れなくなるという点でメンタル面も含めてとても痛い思いをしたので、自分にとっても厚底シューズ対策というのはとても重要な施策となっています。

▶ポイント練習で厚底シューズを使用することについて
練習会などに参加してもポイント練習として厚底シューズを履いているランナーはとても多いです。これについては意見が分かれているようです。

・練習はあくまで練習なので普段は薄底シューズで脚を鍛えて、(カーボン入りの)厚底シューズは履かずに練習した方が脚力が鍛えられてレースのパフォーマンスが上がりやすい。よって練習の時には(カーボン入りの)厚底シューズは使用しないほうがいいのではないか。
・練習からレース並みのスピード感に慣れておきたい。その着地衝撃などもあるので。よってスピードに乗った練習のできる厚底シューズでの練習は必要。
・そもそも厚底シューズの方が脚へのダメージが少ない。だから自分の脚を守るというリスクマネジメントの観点から厚底シューズでポイント練習を行いたい。
・単に(カーボン入りの)厚底シューズだと速いタイムで走れるので心地いい。だから(カーボン入りの)厚底シューズで練習したい。

上記のとおり練習の質の話や脚の保護などの話もよく聞くところです。なお一番最後の選択肢についてはある意味ありだと思ってまして、市民ランナーは趣味で走っているわけですから、休みの日くらい気持ちよく過ごしたいですよね。だから自分が気持ちよく走れるスタイルで走ることの何がいけないのかと自分は考えています。ここが市民ランナーは好きなシューズを履いて走ればいいと思う1つのポイントと思ってます。あるいは「こんなに速いタイムで走れました」というSNS映えするところも魅力なのかもしれませんね(^^)。ただここではそういう「娯楽」という観点からは一旦離れて話したいと思います。

▶あえて厚底シューズでポイント練習をする意味
ここから話を進める上で、自分がこの(カーボン入り)厚底シューズをどう利用しているかについて記載したいと思います。今利用しているシューズは以下のとおりになります。

NIKE Pegasus37(EK):jog/Eペースjog
NIKE React Infinity Flynit2:jog
・Brooks HyperionTempo:Eペース以上のjog、LR、インターバル(予定)
NIKE VaperFlyNext%2:ロードでのPR

ここではVFN%2の使い方というところになるかと思いますが、1週間のシューズの使い方は基本的に以下のようなイメージになっています。

(月)80分jog(4'40"/km) Pegasus37(EK)
(火)ランオフ
(水)80分jog(4'00"/km) HyperionTempo
(木)90分jog(4'50"/km) React Infinity Flynit2
(金)ランオフ
(土)PR30k(3'40"/km)/PR21k(3'35"/km) NIKE VaperFlyNext%2
(日)120-150分jog(4'30"/km・4'50"/km) HyperionTempo/React Infinity Flynit2
※上記以外にWS、筋トレなどあり

上記のようにあえて週1回はカーボン入りの厚底シューズであるNIKE VaperFlyNext%2を使用することにしています。これは質の高いポイント練習をしたいという観点よりもむしろ故障防止の観点です。理想的かどうかは分かりませんが、上記の青山学院大学のように平日から器具をつかったようなしっかりとした筋トレをする時間や環境があるのであればカーボン入り厚底シューズを利用せずとも筋トレでしっかり鍛えていくというのも手段としてあるのかもしれません(青山学院の選手が普段から厚底シューズを練習に多用しているのかは分かりませんが)。一方でそのような時間がなく環境にも恵まれない市民ランナーとしてのセカンドベストの選択として厚底シューズによって負荷のかかる箇所、特に筋肉は負荷感を得るということはそこについては筋トレにもなっているはずなのだから、そうであればシューズを履くことによってそこの筋肉を鍛える、言い換えれば履き慣れることによって負荷のかかる脚の箇所についても鍛えてしまおう、それで故障の可能性を小さくしてしまおう、と考えています。もしかすると普段から薄底シューズで厚底の走り方で走りながらのポイント練習をしつつ、筋トレをしっかりやる方ことがベストの選択なのかもしれませんが、そこまでの時間と余力が無いからという話です。ここがセカンドべストの選択たる所以です。

一方でその(カーボン入り)厚底シューズによるダメージがあることも心がけないといいけませんので自分の中でルールを決めています。

・VFN%2を使用するのは基本的に週1回(まで)
・つなぎポイント練やロングランなどはHyperion Tempoを利用する。それによってVFN%2の時よりも地脚を鍛えられるか(という勝手な期待)
・自重の筋トレを通じて故障防止の策をとる

こうしたルールを作ってから特段脚に関するトラブルもなくランニングを継続できています。

自分は利用したことがありませんが、最近は特に同じNIKEのアルファフライのダメージが注目されているように思います。それによりアルファフライのダメージに耐えられるような練習をするか、または再度ヴェイパーフライに帰るか、またはアシックスのメタスピードのような別のメーカーのシューズに「転向」するかということを悩んでいる市民ランナーさんも多く見かけるような気がしています。それについて個人的に思うのは、良いタイムを出すためにはどのシューズを選択するかという観点と同時に、それを使用することで脚に過度な負荷をかけて故障の要因としてないか、またそうであればそれに対する対策をしっかりと立てているか、という点です。「娯楽」としての観点があるからこそ、そこでケガをすることで逆にストレスをためるようでは本末転倒でもありますので、楽しくランニングを継続するためにも少しだけ慎重に「厚底シューズ」対策を考えた方がよいのではないかと思っています。

それではまた(^^)/