健康目的で走っている40代の練習記録

フルマラソンサブ30・ハーフマラソンサブ71.5・5000m15分台を目指す40代の記録

不調からの早い脱出策を考える(要因分解のすすめ)

今回はいつもとは趣向を変えまして、もしかしたら市民ランナーの読者の方の役に立つかもしれないことを書いてみたいと思います。ぐんまマラソンの前に絶不調に陥りましたがその後早いタイミングで不調からある程度回復することができたので、ぐんまマラソンは何とか走りきれたということがあります。その時の自分の反省を込めて記録として残しておきたいと思いますなおランニングを専門としている専門家ではない1人の市民ランナーが書いている話ということでお受け止めください。

とはいえども大した話ではないのですが、テーマは「要因分解」です。これは特段専門知識がなくてもできることです。レースなり練習なりの結果を見てそれが起きた要因を分解してその対策を考える。細かくはその対策自体が正しいのかを専門的に知識のある方に質問してみるのもいいかもしれませんが、ただそこまでしなくてもこの要因分解そのものはすでに市民ランナーの方々でも簡単にできて自分なりの分析はできますし、すでに実行されている方も多いような気がしてます。そういった方には何も役に立たない話でしてすみません(^^;。要約版からスタートします。

【要約版】
・基本として練習日誌をつける。アプリ・SNSを利用すると継続しやすい。
練習日誌を後から読み返すだけでは効果半減。要因分解を試みる。結果の要因を記載して、その要因を生んだ要因を記載し、その要因の要因を生んだもの…と分解。
・好調時不調時についてその要因項目を比較をして調子の波に影響する練習・生活パターンを見える化する。月単位などで時系列的比較で細かく項目を分けて記載して要因を探ると見えやすい(変化した要因は何かをメモしていけるとより良い)。
・好調不調になる頻出パターンを探り出せると普段の過ごし方に活かせる。ここまでくれば調子のマネジメントをある程度できるようになる期待も(もちろん個人差があると思いますが)。
・分析しても要因が探れない場合は、貧血などの症状がある可能性があり早めに病院の診察を受けるなどして早期に回復を促せる可能性。


▷練習日誌

まずこの要因分解を行うのに必要なのが練習日誌です。こちらは多くの方がすでに実施されているとは思いますが方法は簡単。最近のスマートウォッチなどを使えば自動的にアプリ(SNS機能のあるものが多いですが)にアップロードされます。こうして記録したところに自分で今日の練習についてコメントしていきます。ネット上が気になるようでしたらアナログですがノートに記載でもいいかもしれません。もしくはPCでExcelなどで記録用のファイルを作成して残していくでも。こうして溜まった情報は宝の山で、あとから振り返った時に自分の様々な特徴を見ることができます。練習日誌は書くことに意味があるのではなくて振り返ることに意味がある、これが第一歩です。

▷要因分解の例
続いて練習日誌から要因分解に進みます。ただ漠然と振り返るというのもいいのですが、それでは見えてくるものも見えてこず、正直せっかくのデータの山を活かす上で効果半減になってしまうと思っています。細かい箇所の変化の要因を見える化させていくことを目指すのが要因分解です。この要因分解というは色々な場面でできます。
簡単な例として今日レースを走ったとしてその収穫と反省点の分析をします。

①今日の収穫と思うことと反省点と思うことを挙げる
②その収穫を得られた要因、反省することになったと思われる点(要因)を書き上げる
③その要因を生み出した要因を列挙する
④その要因の要因を生み出した要因を…(以下無限)

(例)トラックで5000mを走って

▶第1ターン
・(収穫)PBが出せた。前半から積極的なレースができて粘れた
・(反省)4000からついていけなくなった。ラスト400は無難にPBを出そうとしてスパートをかけなかった

▶第2ターン
(収穫要因)
・練習から速いタイムで練習して最初からついていける自信を持てた(メンタル面の克服)
・LT走を数多くこなしていたので後半まで粘れた
(反省要因)
・オーバーペースかもしれないがスタミナ不足を感じた
・後半明らかに走りがブレていた

▶第3ターン
(収穫要因)
・練習の継続性を前提に2週間に1回はレースペースを意識した練習を行って課題のメンタル面での充実を図れた。
・LT走も含めて地力を鍛えながら自信を持つ練習が自分には必要。これは5000に限らないと思うので、今後に活かしていく。
(反省点)
・ミドル、ロングの練習不足。自信を持たせるためにスピード重視になりがちだったと思う。→スピード重視のポイント練からミドルロングも入れると継続性の面で明らかにオーバートレーニング。適宜長いjogや速いjogを取り入れていくべきだと思う
・筋トレや体幹レーニングをサボりがちだったため後半に体が特にぶれやすかった。

▶第4ターン
(反省点)
・1人でロングをやろうとするとすぐに妥協してしまいがち→練習会を活用する
・つい筋トレを後回しにすることで結局サボっている→日々の課題として壁に項目を書いた紙を貼り、家族の目も入るようにする

このような形でなぜそうなったのか、またそれが起きたのはなぜかと繰り返していきます。何ターンかしていくと対策までこぎつけられます。ランニングの練習内容かもしれないですし、ランニング以外のことかもしません。これはランニングに限らない話ですが、この繰り返しをあとから練習日誌あたりにメモしておくだけでも役立つと思います。

▷好不調マネジメントへの応用
冒頭から固いこと書きましたが、結局この習慣が不調時の対応に役立つと思っています。市民ランナーの皆さんは誰に強制されるわけでもなく、趣味として楽しく、また自分で考えて、ランニングライフを送っていると思います。したがって普段から考えて練習するということはとても長けていると思います。これは当たり前のようですが、監督の練習メニューを言われたとおりにただこなしているのとは天地の差です。そんな市民ランナーの長所を生かせるのが要因分解に基づく好不調マネジメントだと思っています(もちろん監督がいる環境でもいろいろ考えて走っているランナーの方がたくさんいると思いますので2択ではありません)。

継続して走っていると人間ですからどうしても好調不調の波というのは経験するものです。なかなか難しいところですが、ただよく要因分析をしていくと理由なく好調や不調がやってくるというのは多くなく、多くは来るべくしてきた好調だったり不調なのではないかと最近は考えるようになりました(自分がそうだというところからなので全員に当てはまるかは分かりませんが)。逆に理由なく不調がきているように見えるのは貧血など体調が悪いのかもしれず病院に行くという選択を早めに選択できると思います(その貧血ですら原因がありがちだと思いますが)。不調になったときの原因を記録し続けることで、その不調パターンを見つけ出して、以後において不調から速い時間で脱すためのマネジメント力がつく可能性があるのではないかと思っていますし、実際にそれにより回復を早めることがてきています。誰もが好調は長く続いてほしいですし、不調は速く脱したいと思うところですが、今回はそれのヒントになり得るかもしれないことを記載したいと思います。

●要因分解法
その方法が冒頭にも記載した要因分解です。
とても単純です。ランニングには多くのことが影響しています。直感的にはいろいろな変数があって、その変数同士も影響しあいますし、また変数そのものが自分の調子、走力に直結する関係にあるのだろうと考えています。

▶健康状態
・病気になっていないか
→風邪など体調不良の有無
→直前に体調不良になっていたことはないか
・睡眠の過不足
→昨晩の睡眠
→ここ1週間の睡眠時間・深さ
→ここ2週間・1か月の睡眠時間・深さ

▶食事の状況
・直前の食事の状況
・ここ1週間、1か月…の食事の状況(食べ過ぎ、抑制しずぎ)

▶体重の推移
・現在の体重・体脂肪
・1か月の体重・体脂肪の推移

▶練習の取り組み
・練習に偏りがないか/練習内容及び不足していると思う練習を「全て」書き出す
 jogの総距離・jogペース・1回あたりの距離
 PR・BUのペース設定・距離
 インターバル・レペの設定
 筋トレ・体幹レーニング・ストレッチの状況
 その他の練習の取り組み
・無理な練習を継続してないか
力の過信がないか
・練習の流れに変化がないか

▶気候の状況
・暑さ、寒さによる影響が考えられるか

▶その他
・夜中にゲームに夢中になることでの疲れを生じてないか等

 

上記は一例でしかありませんが、まずは自分なりの項目出し。項目を細かく書き出して練習日誌から月単位くらいで8月は●●、9月は●●みたいな形でまとめていきます。流れを比較すると好調の時、もしくは好調の直前にできていたことが今できていない、サボっているみたいな話が出てきたりします。見える化することで要因を炙り出すというわけです。練習日誌を何となく見返している人は多いと思いますが、こうして字でまとめてみて、そして比較するとと実感も変わります。

特にここで目を皿のようにして探して欲しいのが、「好調パターン」「不調パターン」です。ついつい●●をサボりがち、●●を食べすぎがちといったようなトレーニングや生活スタイルにおけるブレが悪い方向に効いてしまっているなんてことはないでしょうか?それぞれ個人個人のサボリ癖のようなものが影響している可能性があります。または毎度レースやポイント練習から休むことなく練習を継続してしまいがちで、1ヶ月~数週間経過した頃から疲れで動けなくなってしまうなんて人もいるかもしれません。こうして不調によくなるパターンが列挙されてくるはずです。

列挙できたらあとは簡単。その対策をとればいいだけです。しっかりメモして記録しておく。そちらに気持ちが流れそうになったらぐっと堪えて我慢する。

食べすぎない、酒を飲みすぎない、ストイックになりすぎない、よくごはんを食べるようにする、練習しすぎない(距離を走りすぎない、ポイント練習を詰め込みすぎない)、jogをサボらないようにする、jogをだらだらと長く取り組みすぎない、jogペースを速める、jogペースを遅くする、ストレッチを怠らない、筋トレをサボらない、仕事や勉強でストレスをためすぎない(ラン以外にもストレス解消をするようにする)、夜ゲームしすぎない、夜は24時までには寝る…、などなど。


そんなセルフコントロールに活かすこともできます。ただしあまりコントロールしようとするとそれがストレスになるので、趣味であり娯楽としてやっているわけでもありますから適当くらいがいいと思いますが(⌒-⌒; )。ちなみにこんなことを書いてきた自分もよく不調には陥ります(笑)。だいたいパターンは分かっていて、でも不調に陥ってしまう。その度にあわてて対策をとるので以前よりは戻りは早くなりました。人間楽な方に行きがちといえばそうなのですが自分の場合は自己規律心が弱いのが弱点だと認識しています。

「なーんだ、形は違えどそんなの当たり前にやってますよ」という方も多いかもしれませんが、そうでない方は気が向いたらぜひ一度お試しください。それがストレスというのであれば考えずにやるのはもちろんOK。楽しければ全てOKであればあまり細かいこと考えずに食べて飲んで遊んででないとせっかくの休みがもったいないですからね!(^^)!←最後に全てをひっくり返しました(笑)。
せっかくなのでレースでタイムを狙いたいという方はご一考ください(^^)/