健康目的で走っている40代の練習記録

フルマラソンサブ30・ハーフマラソンサブ71.5・5000m15分台を目指す40代の記録

東北・みやぎ復興マラソンレポ(前編:コースなど編)


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11/5は東北・みやぎ復興マラソンに参加してきました。
この大会はコロナ前の2019年も台風で中止となったため実に5年ぶりの開催。コースを一新して仙台市スタートで岩沼市も通って名取市にゴールになりました。
年内のフルマラソンのメインレースを何にするかは結構悩みどころで、この東北みやぎ以外に昨年と同じく金沢、そして水戸という選択肢もありましたが、以下の3つの理由でこのレースを選びました。

①仙台のレースを走ってみたかったこと
②震災後比較的すぐに被災地に行って以来、被災地を訪れていなかったこと
大会のコース図を見ると高速コースの期待が強かったこと

上記の3つで、タイムを狙いたいということから3番目は大きなモチベーションになってました。コースについては後程記載しますが、序盤に陸橋があってそれを乗り越えれば中盤以後は概ねフラットなコースとされており、標高も仙台より名取の方が低いとされてました。フラットなコースでしっかりPB,サブ35を決めて帰りに牛タン食べてビール飲めたら最高!、という考えだったわけですがまあそう甘くはなかったです(笑)。ただ今回の大会は参加して本当に良かったです。それも以下で記します。

 

◆コースについて◆
先に来年に東北・みやぎ復興マラソンに出られる方向けにコースがどうなっているかを書きたいと思います。正直なところ大会の公式のコース図とは高低図のところでかなり違います。振り返るとあまりフラットなところがなく、上りか下りの勾配になっていることが多いですし、特に後半は斜度の高い起伏が多かったように思います。
東北・みやぎ復興マラソン2023フルマラソンコースマップ

上記のとおり高低図に少し書き加えてみました(こちらは標高までは分かりませんのでイメージを入れております。上矢印↑は起伏箇所を表してます。)。黒い矢印は起伏のあるところで基本的には橋を渡るときに起伏が生じるコースです。大会の公式では「高低差は約15m程度で10km付近までは多少のアップダウンはありますが、12km以降はおおむねフラットなコースとなります」と記載されてますが参加した人たちで話していてもこんなイメージのランナーはいませんでした(笑)。もっと言えばスタート前に司会の方も「序盤の4つの橋を超えれば概ねフラットです!」と話していたのもそもそも序盤から内容が違います(笑)
まず東部復興道路に入る前には橋は5つあります。

①スタートして左折してすぐにある宮城陸橋(高低は表してある)
自衛隊の先を左折後のJR越え陸橋(上記記載ほぼなしですがそこそこ大きな橋)
③宮城野陸橋(最大)
④JR仙石線跨線橋
高砂橋(こちらもそこそこ脚を使います)
そしてさらに実は東部復興道路は堤防の役割をしているために嵩上げ道路とも呼ばれており、当然ですが嵩上げ道路たる東部復興道路に入る時も上りますし復興道路に入る直前は斜度も上がります。よってランナーの負担としては東部復興道路に入るまでに6度の負荷がかかります。

東部復興道路は大会公式の高低図ですと高低差なくフラットな直線が続くように書かれてますがこれまた違います(笑)。東部復興道路に入ると最初は比較的フラットです。若干上り勾配かなという程度ですが、20k地点の震災遺構荒浜小学校を超えたあたりから明らかに上り(勾配の範囲)になります。途中は勾配といえども前を見ていると明らかに長く上っているなとはっきり見えて実感する箇所もあります。走ると分かりますがそもそもこの道路自体は仙台から名取に向かって概ね上りになります。下りは無かったような記憶です。この東部復興道路ですが地元の方から伺うと普段は歩行者は通行禁止とのことで自動車専用で使われているとのこと。そもそもこの東部復興道路自体が堤防としての扱われているので嵩上げされてます。なのでこの東部復興道路(嵩上げ道路)もそうですしそれの周辺のこの道路につながる道路も車が走ることが前提とされており、歩行者目線にはなっていない道路だと思います(このあたりは津波による被害で民家が見当たらず人が住んでいる気配がありませんでした)。

東部復興道路は左右見ても景色的な変化がなく、集団でじっと我慢することを強いられるところです。北海道マラソンの新川通りと同じイメージですが、新川通りと違うのは人がいないために応援もエイドや距離表示のところのみとなるため東部復興道路の方がメンタル的には楽ではないように思います。

25km手前の閖上大橋を渡ると東部復興道路と一旦お別れになりますが、閖上大橋も車では楽ですが、走るとまた別な橋です。またこの閖上大橋あたりからスピードを殺される起伏が増えます。小刻みなアップダウンというとそれまでですが、嵩上げ道路につなぐ道路、運河超えなどは徐々にあがって超えるというわけではなく越えるべき箇所の直前に上がり始めてまた下がるという起伏になります。したがって走る上では走りづらさを感じたランナーも多かったのではないかと思います。

25k過ぎのかわまちテラス閖上を過ぎるとその小刻みな起伏が目立ち始めます。嵩上げ道路を中心にそこからはずれて戻るという作業が起伏を生む特徴を持つコースです。25-30kはその起伏の影響を受けはじめる区間でかわまちテラス閖上を出て左折するとすぐに小さな橋があり再度嵩上げ道路に帰ってくる前に1つ斜度の高い起伏を越えてまたその後嵩上げ道路たる復興道路に戻る時に斜度の高い上りで戻ります。31-32kあたりの運河越えは斜度の高い起伏です。また嵩上げ道路から千年希望の丘の往復は行きは嵩上げ道路から下っていき帰りは上るという往復になります。

嵩上げ道路を最終的に離れて左に仙台空港の離発着する飛行機を見ながら名取の市街地に向かう道路もあまりフラットなところはなく上下に振れる道路でこちらも交差点に向かって起伏がある特徴があります。また39k直前に川越えによる橋の起伏もあります。39kを過ぎてJRと並行に走り始めてからようやくフラットな路面になります。ゴール直前は少し上り勾配ですがそれまでの起伏からすると気にならない程度です。

記憶によるところも大きいですが、フラットな道があまりない中でフラットな道がある箇所を上の高低図で青い線で記しております。そこ以外は視覚的にも明らかに勾配以上の上り下り(上りが多かったイメージですが)があります。

今回は高速コースかなと思い参加を決めましたが、前日に地元のランナーさんのまもさんに車で全コースを案内して頂きました(本当にありがとうございました)。序盤の橋は想定どおりだったのですが、4つ目の橋が終わっても上り勾配が目に見えてあったり復興道路に入るにも負荷があることがわかったり、また復興道路が全然フラットではなかったり、復興道路が終わっても概ねフラットとは言えないことも分かり(笑)、当日それを予見しながら走れたので助かりました。ちなみに地元のまもさんもこんなに起伏のあるコースとは思わなかったというご感想で地元の同じチームの方々もこんなコースとは知らないのではないかというご感想。自分も前日のうちに明日はPB出そうと気負わずにしっかりコースなりに走ろうと思いました。

そんなコースですが、シリアスランナーのような本気でタイムを狙いたい方を対象とすると、別で本命レースが12月か1月あたりに控えているのであれば秋の初戦を走る上では適したレースだと思います。練習レースとしては最適ですし、かといって大きくタイムがビハインドするまではないかとは思います

 

◆それでも走って良かったと思える大会◆
高速コースかと言われるとこういうアップダウン程度では大したことない人にとっては走りやすいということにもなるかと思います(個人差によります)が、タフなコースの部類には入るのだろうとは思います。コースに対する考えとしては上記のとおりでした。

ただ今回この大会に参加して本当に良かったと思っていますこのマラソンは本当に応援が暖かいです。心からのおもてなし感があります。前半の仙台市内も応援がありますが、東部復興道路に入ってからは震災で全てが流れてしまった地域。周りを見ても民家がありません。農地くらいしか見当たらず人影がなくなります。その中で距離表示の箇所には数人から10数人の方々がいてとても暖かい応援をいただけます。走ると分かりますが、分かっていたものの震災から10年以上経過してこんな状況なのかと思いながら走ります。砂漠のようにしばらく誰も人がいない中を走り、そしてしばらくすると遠くから暖かい応援の声が聞こえてきます。何があってもこんなところで負けてはいけないという気持ちにさせてもらえる応援です。

エイドにはたくさんの方々がいてとても暖かい、熱い応援をいただけます。牛タンその他も置いてありますがタイムを狙わずに地元の名産品を堪能するのも楽しみの1つといえる大会の1つですね。

震災で大きな被害をうけた千年希望の丘の地点を折り返し、やがてJRと並行する残り3kmになると応援のボルテージがとても上がります。複数のエイドの学生さん達はかなり熱い応援をしてくれます。こちらが強めのガッツポーズ(`・ω・´)bで返すとそれに返す盛り上がり方が相当でした。今回40k地点を超えてペースを上げられたのも、このとても元気をもらえる応援のおかげだったと思います。

ゴール直前には両側にたくさんの応援の方々がいらっしゃって大きな拍手で迎えてくれます。最後まで走れてよかったと思わせていただける拍手です。


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ゴールしたあとにはふかひれスープが振舞われました。また復興マルシェもあります。地元のグルメを堪能できます。

ランニングを始めて全国のフルマラソンを走っている市民ランナーには一度は走ってほしい大会かなと思います。日本人ランナーだったら1度は走るべき大会というか。あちこちから地元の皆さんのたくさんの「ありがとう、がんばって」という声が聞こえ、震災からこれまでどういう想いで過ごされてきたかを実感する大会でもあります。

後編では自分のレース内容と感想などを書きます。

それではまた。